その山は大きく両手を広げ空に伸びている。
春には緑に、夏には青く、秋には赤く、冬には白く色づきながら、季節の恵みと共に、全てが移ろいの中にあることを教えてくれる。
山は多くの命の温床としてあり、そこからもたらされる風土の美しさの中に私たちは生かされている。ヒマラヤの山に登るにつれ、多くの動植物を育むふるさとの山に、多様性という豊かさを知った。そして私たちも、その多様性の中のひとつなのだろう。
今日も山はりんと空に伸びる。
見渡す大地を緑に潤しながら。
この山が秋田に生きる人々と共に、豊かに、美しくあり続けますように。
見上げると秋田にはいつもこの山がある。
その母のような温かさを思う。
小松 由佳
小松由佳さん
登山家:秋田市ご出身
平成18年8月、日本人女性初のK2登頂を果たす。
秋田北高時代、太平山登山で山の魅力に目覚める